北京市天福号食品厂の前身は、声望高き天福号肉舗である。天福号は清代の乾隆3年(西暦1738年)に創業された。
話によると、乾隆3年に山東出身の劉鳳翔が北京へ来て生計を立てようとした。醤肉(肉の醤油漬け)の店を開き、醤肘子(豚のもも肉の醤油漬け)、醤肉、醤肚(動物の胃袋)などを売った。しかしずっと売れ行きはよくなかった。ある日、劉鳳翔は中古品売り場で、顔体楷書で「天福号」と書かれている古い扁額があるのを見つけて買った。そして店の門の横木のところに掛けた。その後、客が少しずつ増え始めた。「天福」が本当に舞い降りたのである。
天福号の醤肘子は材料選びにこだわっていて、生後一年半ほどの子豚の前足を使用し、作り方は念入りで丁寧である。独自の味を生みだし、ずっと繁盛している。
たゆまぬ努力を経て今や北京市天福号食品厂は、相当の規模を持つ企業へと発展した。消費者の需要を満足させるために、西単路入り口の専売店以外にも、西直門内大街に分店を出し、さらに市内の各大型デパートにも売り場を設け、独自の販売ルートを形成しつつある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月20日