南鑼鼓巷は北京で最も古い街の1つだが、この数年、多くのファッション雑誌の報道スポットとなり、テレビドラマの撮影も少なくない。外国人観光客の多くも必ず訪れる名所だ。実際、明清以来、ここはずっと「富裕層の住むところ」だった。高位高官や貴人、社会の名士、明代の将軍から清代の王、北洋政府の総統から国民党の総裁、文学の大家から画壇の巨匠に至るまで、どの「胡同」(路地)も歴史の足跡をとどめている。
南鑼鼓巷は南北に走り、長さは約800メートル。東西にそれぞれ8本の胡同が整然と並んでいる。南から北へ、西側の8本の胡同は、福祥胡同、蓑衣胡同、雨児胡同、帽児胡同、景陽胡同、沙井胡同、黑芝麻胡同、前鼓楼苑胡同。東側は炒豆胡同、板厰胡同、東棉花胡同、北兵馬司胡同、秦老胡同、前圓恩寺胡同、後圓恩寺胡同、菊児胡同。
南鑼鼓巷には元の国都だった当時の建築物が、歴史的遺跡として極めて完全な形で残っている。胡同の構造は完ぺきで、様々な形態の貴族や官僚の屋敷が並び、実に千姿万態だ。
南鑼鼓巷はこの数年、流行を追う人々や外国人観光客の関心を集めている。どの胡同にも文化的な重みが感じられ、どの邸宅も訪れる人に古い物語を語らいかけてくる。