栄宝斎の前身は「松竹斎」であり、清代の康熙11年(西暦1672年)に開業した。後に清の光緒20年(1894年)に栄宝斎と改名した。「文を以て友と会し、栄名を宝と為す」の意味である。すでに300年以上の歴史がある。
松竹斎の創始者は張氏という浙江省出身の人である。彼は最初北京で小さな文房具店を開き、書や画の用紙や文房具を売っていた。その後前述のように栄宝斎と改名後、「木板水印」の絶技で国内外に名を広めた。木板水印は中国特有のもので古い歴史を持っている。人の手で行われる印刷技術である。このやり方で印刷された画は原作に酷似しており、本物との区別がつかないほどである。現代のどんな印刷方法も比べ物にならない。当時、斉白石(中国画の巨匠。1863~1957)氏が、栄宝斎が複製した自分の作品を見ても本物か偽者かの区別がつかなかったほどである。
栄宝斎に現在ある扁額は、中国の著名な書家である郭沫若により書かれたものである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月21日