北京に暮らす若手カメラマンの高天さんは、今年初めに偶然読んだ記事をきっかけに、手作りの空気清浄機「HEPAi」を作った。最初は自宅で使用していたが、その効果に確信を抱き、一か八かという思いで通販サイト「タオバオ」で「還我藍天(青空を返せ)」という名の店を開き販売を始めた。
すると、意外にも手作り空気清浄機は飛ぶように売れ、たった1ヶ月の間に1千台以上が売れた。本業はカメラマンだったはずの高さんもこの時ばかりは一人前の「プロエンジニア兼タオバオ店主」だった。コスト削減のため、製品の設計から測定、配送手配、広告、販売などすべてのプロセスをほとんど一人でこなし、家族以外の手を借りることはなかった。高さんは、「できるだけ販売価格を安く抑えたいという思いと、『一人でも多くの人にスモッグから遠い生活をすごしてもらいたい』という初志を貫徹したかった」と振り返る。100元にも満たない商品に、毎回のフィルター交換70元以下というアフターサービスを付け加えており、その安さもあって本人も驚く大ヒットを記録した。